こんな人向け | ジカ熱心配、でもオリンピック時期の8月のリオは冬。蚊はもういないから平気かも? |
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伝えたいこと | もし知人から相談されたら、私は渡航自粛を勧めると思います。 |
今ブラジルの産婦人科で何が起きているか?
この夏、リオ五輪を見るためブラジルに行こう、と考えている妊婦さんは、どのくらいいらっしゃるのでしょうか。
ジカ熱がこれだけ騒がれていますから多くはない、とは思うんですが、日本ではまだまだ対岸のなんとか、という感覚でいる人も少なくない・・・かも知れません。
まずちょっとこちらの映像を。
現地ブラジルの産婦人科での映像です。
日本語じゃありませんが、診察を受けている妊婦さんや、そのご主人とおぼしき男性の表情から全てが伝わってきます。
http://www.statnews.com/2016/03/01/zika-virus-brazil-obstetrician/?utm_content=bufferd46bd&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
こちらのブログで紹介されていました。
→新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~
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三割をどう捉えるか?
最近の調査では、ジカ熱に感染した場合の胎児の異常は約三割。
2015年9月から今年2月の間、発疹や関節痛、頭痛や軽い発熱で入院し、ウイルス検査で感染が確認された妊娠5~38週の女性42人のうち、超音波検査で29%に当たる12人で胎児の異常が判明した。
出典ジカ熱に感染の妊婦、3割で胎児異常 ブラジルで報告:日本経済新聞
三割をどう捉えるべきか・・・私は事の重大性からして、かなりの高確率だと感じますが、いかがでしょうか?
しかも、小頭症の症状がはっきりと現れていなくても、知能障害などが潜んでいる可能性も疑われている状況。
無事に生まれても、後々まで緊張は続きます。
この範囲まで含めると、感染時した場合はさらに高い確率のリスクを覚悟しなければなりません。
オリンピックの時期、リオデジャネイロは冬だけど?
ところで、リオ五輪が開かれるのは2016年8月5日から21日まで。
ブラジルは日本の反対側なので、この時期は冬にあたります。
「寒いなら、蚊もいなくなって心配ないかも?」
と、一縷の望みをかけて調べてみました。
リオは熱帯ながら比較的高い緯度にあって、最低気温が10℃台になることも。
しかし、月で平均すれば20℃。
さすがに日本の冬ほどには寒くならないようです。
ジカ熱を媒介するネッタイシマカもヒトスジシマカも、20℃だと吸血になんら問題無し。15℃くらいからOK(というのも変ですが)だそうです。さすがに今の時期ほど活動的ではなくなっているかも知れませんが、リスキーであることに変わりはない、とみるべきかと。
やっぱり自粛が吉
先月初旬、厚生労働省も渡航自粛を呼びかけています。
政府は2日、ジカ熱の対応策を話し合う関係省庁対策会議を開き、国内の水際対策や今後の課題を協議した。流行国のブラジルで5日から始まるリオのカーニバルや、夏のリオデジャネイロ五輪・パラリンピック目的の渡航者に注意喚起することを確認した。厚生労働省は妊婦に流行地域への渡航を控えるよう呼びかけている。
さらに昨日、ついにWHO(世界保健機関)が渡航自粛を呼びかけました。
中南米を中心に感染が拡大しているジカ熱について、WHOは8日、妊娠中の感染と先天的に頭部の小さい「小頭症」の赤ちゃんが生まれることとの関連を示す報告が増えているとして、妊娠中の女性に対し、感染が流行している地域への渡航を自粛するよう勧告しました。
出典ジカ熱 妊婦の渡航自粛勧告 「国は早急な対応を」 NHKニュース
性交渉で感染を広めてしまう事例も、相次いで報告されています。
なので男性の場合も、渡航は慎重に考えたほうがいいでしょう。
妊婦さんを不安にさせるようなことは、できるだけ遠ざけたいですね。
冒頭の映像のような状態が、この夏以降、日本の産婦人科でも起きないことを願っています。