井上拓真 | 復帰戦で判定勝ち

ボクシングの元東洋太平洋スーパーフライ級王者井上拓真(21=大橋)が復帰戦を飾った。
右拳を痛めて昨年末の世界初挑戦が中止になり、30日に東京・後楽園ホールで1年ぶりの試合。「5、6回でKO」のもくろみも、4度世界挑戦した久高(仲里)に打撃戦に持ち込まれた。3-0の判定で無傷の9連勝に「最後までズルズルいき、反省会が怖い。右拳は問題ないが」と不満顔。大橋会長は「冷や汗もかけがいのない経験ができた」と、兄尚弥との“兄弟世界王者”を狙い、来年にバンタム級で世界挑戦の意向を示した。

元東洋太平洋スーパーフライ級王者井上拓真(21=大橋)が、打撃戦を制して復帰を飾った。昨年秋に右拳を痛めて、年末の世界初挑戦が中止になった。日本同級2位久高寛之(32=仲里)との昨年9月以来約1年ぶりの試合。序盤は左ジャブで先手を取って攻勢だったが、徐々にベテランの術中にはまって打ち合い。終盤には両者が激しい打撃戦に会場を沸かせ、3-0の判定勝ち。デビューから無傷の9連勝とした。
井上は「左だけで2カ月スパーした。左でコントロールし、5、6回でKO」のもくろみだった。それが4度世界挑戦した久高に合わせてしまい、打撃戦に持ち込まれた。井上も強気の気性が出て打ち合った。終盤にはともに「来い!」のポーズで、ノーガードの打ち合いの場面も。3日に米国へ出発する世界王者の兄尚弥も、大橋会長も立ち上がって声を上げた。
8回にはきれいなワンツーで、久高の左まぶたを切り裂いて流血させた。採点は最大6ポイント差がついたが、打ち合いは互角の戦いだった。井上は「もっと簡単に行くと思ったが、さすがベテラン。最後までズルズル行き、反省会が怖い」と笑みはなかった。
父の真吾トレーナーも「ベテランにはまった。試合としては面白かったけど、うちとしてはもっと直さないと」と苦笑い。大橋会長は「冷や汗かいたが、かけがいのない経験ができた。気持ちで負けなかったのは今後に大きい」と闘志をほめた。尚弥も「これ以上ない経験ができた。ダメな部分を練習すればいい」。
井上自身も「右拳はまったく問題ない。スタミナも。打ち合えたのはよかった」と手応えもあった。今度こそ世界挑戦で兄に追いつきたい。大橋会長は「来年にバンタム級で世界挑戦させたい」とのプランを示した。

■井上尚弥の弟・拓真「KOしたい」
ボクシングの元東洋太平洋スーパーフライ級王者井上拓真(21=大橋)が今日30日に東京・後楽園ホールで復帰戦に臨む。
29日に都内での計量をリミットの53・5キロでクリアした。昨年末にバンタム級で世界初挑戦予定が右拳負傷で中止となり、昨年9月以来約1年ぶりの試合。世界に3度挑戦した久高(仲里)が相手だが「2カ月間は左だけでスパーして強化できた。左でコントロールしてしっかりKOしたい」と宣言。同級では3団体で世界ランク入りしているだけに「チャンスがあれば」と世界前哨戦に位置付け、兄尚弥に続く兄弟世界王者を見据える。