「ブラックボックス展」で痴漢されPTSD | 主催者らに1100万円の損害賠償

演出の一環で真っ暗になっていた「ブラックボックス展」の会場で痴漢被害に遭ったと訴える女子大学生(22)が、展覧会の主催者とギャラリーを相手取って、約1100万円の損害賠償を求める裁判を東京地裁に起こした。提訴は12月27日付。

訴状によると、女子大学生は暗闇で突然、見えない相手に強制的に抱き寄せられ、キスされたため、恐怖と屈辱感でPTSDになったと被害を訴えている。そして、主催者やギャラリーは犯罪を防ぐ義務があったのに、それを怠ったと主張している。

■ブラックボックス展とは

問題とされた展覧会は、東京・六本木のギャラリーで2017年5~6月に開催された「ブラックボックス展」。会場は、真っ暗闇の何もないギャラリーで、特に何かが展示されているわけではなかった。来場者は説明もないまま、暗闇の空間に案内され、中をさまようことになる。

しかし、この展覧会はネット上の口コミで、最終日には行列で6時間以上待ちとなるほどの人気を呼んだ。

口コミを広げた「仕掛け」

展覧会への来場者に対し、主催者である「なかのひとよ」氏は、次のようなルールを突きつけていた。

・展覧会の期間中は、その内容を第三者に言わないこと。

・ただし、展覧会を「絶賛する」もしくは「酷評する」感想は、ネット上に書いてもよい。

・その際には、事実と異なる「嘘の展示内容」を連想させるような投稿をしてもよい。

その結果、ネット上には、賛否両論、思わせぶりな発言が相次いで投稿されることになった。これが、実際に見てみたいという好奇心を刺激した。

被害にあった女子大学生も、そのような口コミを見て、興味をそそられたうちの一人だった。

■女子大生が訴えた痴漢被害

女子大学生は「ブラックボックス展」最終日だった6月17日、友人と一緒に行列に並んだ。

主催者側は、会場の入り口で中に入れる人を一方的に選別しており、一緒に訪れた男性の友人は、会場に入れてもらえなかった。会場には、女子大学生が一人で入ることになった。

女子大学生は、被害に遭ったときの状況を、ハフポスト日本版に次のように話す。

「会場内は、手を伸ばした先が見えないぐらい真っ暗闇でした。中では人にぶつかったりして、出口も分からないし、どうしようと思っていた所で、急に、何者かに腕を掴まれて抱き寄せられました。そして、キスをされました」

「どんな風貌かは見えませんでしたが、背が高くてかなりガタイがよく、髭が生えていたのを感じました。出口もわからないし、何をされるかわからない。恐怖を感じました」

女子大生は、警視庁麻布署に被害を申告。その後、TwitterなどのSNSで、被害をうけたと訴えた。