雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ 出雲大社詣で

前日は初夏の陽気で日本晴れ。

 

一転してこの日は雨。

 

しかも注意報が出ているほど。

 

普通の観光旅行なら出雲行きをやめて足立美術館へ行っていたでしょうが、今回は神様へのお礼が最優先。

 

それに明日に延ばせば、飛行機の出発時間に間に合いません。

 

午後になるほどひどくなるという予報でしたので、予定よりも早くホテルを出て、鈍行で出雲市駅へ向かいました。

 

幸い、昨日夕食を買いに出たついでに駅へ戻り、米子ー出雲市間はSuicaが使えるとわかりましたので、昨日のうちに追加でチャージをしてありました。

 

だからぎりぎりで飛び込んでも、さっと改札を抜けて何とか間に合いましたわ。

 

地元の高校生達と一緒に山陰本線で揺られていると、途中でドッと下車し、その後は私を含むひとつまみ程度の観光客のみ。

 

だんだん激しくなる雨の中で宍道湖を眺め、「この湖も横に長いわ~。晴れていたら、きっときれいなのに~」などと考えているうちに出雲市駅に着きました。

 

改札を抜けるとすぐに出雲大社へ向かうバスの乗り場の案内板が目立ち、ほどなくバスが来て「正門前」を目指します。

 

このバス、ちょうど勢溜の大鳥居(せいだまりのおおとりい)のすぐ傍に止まるため、助かりました。

 

風に逆らうように傘をさして鳥居で一礼、中に進みます。

 

途中でここにも(^_^)

 

 

大国主命と因幡の白兎。

 

ガイドブックを片手に傘を片手にお作法通りに進み、ようやく八足門(やつあしもん)へ。

 

御本殿には入れませんので、ここから二礼四拍手一礼でお参りです。

 

 

参拝者はこのとき風雨がひどくなったので、向かい側の建物の軒先に避難しておりました。

 

私もその一人(^_^;

 

少し小降りになってから、右手へぐるりと周り他の神々にもご挨拶。

 

ちょうど後ろ側に当たる位置にあるのが、素戔嗚尊(すさのおのみこと)のお社。

 

 

何とか撮れましたわ。

 

途中、御本殿の西側でもお参り。

 

大国主大神は西向きに鎮座されているので、正面からもご挨拶。

 

だんだん激しくなる雨風の中を急いで進み、初穂料を納め、最後に神楽殿の巨大な注連縄をちらりと見て、大急ぎで移動しました。

 

まだお昼前でしたが、雨風から暴風雨になりつつあり、とにかく屋根のあるところへ向かいました。

 

神門通りのお店ではなく、古代出雲歴史博物館へ!

 

少し離れていましたので、吹き付ける雨と風に負けずにひたすら進みました。

 

観光客が少ないので、ゆったりと見学(^_^)

 

平安時代には48mの高さだったと伝えられる出雲大社本殿の1/10スケールの模型は、模型でも5mの高さ。

 

人型も縮小サイズで配置されているので、どれだけ大きかったかがはっきりとわかります(゚Д゚)

 

さらに出雲で発掘された銅剣358本と、それを現代の技術で再現した銅剣同数が圧巻。

 

発掘された方は青錆がでていますが、銅剣はできた頃は金色に近いピカピカ。

 

あれがこうなるのね~と両方を見比べて、歴史的な時間の長さをしみじみと。

 

他にも再現されて実際に鳴らせる小型の銅鐸(どうたく)もあり、試してみました。

 

甲高い金属音ではなく、なんだかのどかな音色(^_^)

 

他にも発掘された銅鐸やら杉の大木3本を縛って1本の柱にしたものの一部とか、おもしろいものがたくさんありましたわ。

 

20分のミニ映画もあり、時間によって違うようですが、私が入ったときは八岐大蛇伝説でした。

 

全部で10人いたかいないかという観客でした。

 

内容はおもしろかったのですが、素戔嗚尊(すさのおのみこと)役の俳優さん、もうちょっと他にいなかったのかしら~と心の中でつぶやき。

 

荒ぶる神ということで選んだのでしょうが、何というか、私の勝手な感想ですが、「黒澤映画に出てくる斬られ役の山賊その1」という感じでした(^_^;

 

映画も終わり、展示もすべて見終えて、ミュージアムのカフェに。

 

こちらは全面ガラス張りで、出雲大社を囲む山々がよく見えるのですが、外は暴風雨。

 

かなり迫力のある風景でしたわ。

 

メニューを見て、島根の和牛を使ったカレーにしました。

 

そしてずいぶん迷いましたが、「せっかくだから、多少気持ち悪くなっても」と思い切り、カレーと「れきはく(歴史博物館の略)カプチーノ、勾玉クッキー添え」をオーダー。

 

私の他には、一人で来ている女性、年配のご夫婦が一組、女性の二人連れが一組だけ。

 

静かな中で、全面ガラス張りの室内から外の荒れ狂う風景を見ているのは、なかなかシュールなものでしたわ。

 

とても楽しみにしていた出雲大社なのにこんなお天気に当たるなんて、あたくちの心がけが悪かったのかしら~?

 

神社詣ででこれほどの悪天候は初めてのこと。

 

いささかショックでしたが、「観光旅行じゃないんだし、お参りはできたしお礼も言えたし、これでいいんだわ」などと思い直すうちに、サラダ付きでカレーが来ました。

 

 

 

少し前に、お隣の女性二人組の前にチキンカレーが来たんですよ。

 

それが目に入った後でビーフカレーを見て、ちょっと後悔。

 

だってチキンの方がお肉が大きいの(^_^;

 

ただし後で思えば、これでよかったんですけどね。

 

お味は少し辛口で、お肉はほろほろに煮えて美味でした。

 

ご飯も古代米が混ざっているところが、さすがは博物館のカレー。

 

カレーを食べ終えると、れきはくカプチーノと勾玉クッキーが。

 

 

ラテアートは数種類あり、一番人気の雲太君にしました。

 

他にも女の子の出雲ちゃん、銅鐸、勾玉などの模様が選べますが、一番見栄えが凝っているのが雲太君。

 

勾玉クッキーは穴まで開けてあるのが、さすがは歴史博物館。

 

抹茶とプレーンの癖の無いお味でした。

 

カレーの後にはちょうどいいわ(^_^)

 

カプチーノもおいしく、「乳製品に小麦……いや、このくらいなら大丈夫」と考えつつ完食。

 

ゆっくりとカプチーノを飲み終える頃には、暴風雨が少しおさまっていました。

 

この合間にと外へ出て、神門通りを目指すと、すかさず暴風雨が再来。

 

風向きがめまぐるしく変わるので、何度折りたたみ傘が裏返ったことか!

 

折れるかな~と心配でしたが、耐風タイプとうたうだけあり、何度も裏返り、向かい風ですぼむように押しつけられましたが、負けませんでした(゚Д゚)

 

早めに切り上げてホテルへ戻ろうと思いましたが、バスが来るまでに時間がたっぷり。

 

お土産物屋さんをのぞいて時間つぶしをしましたが、他の観光客の皆さんも同じらしく、お店に入り、少し雨風が静かになったら外へ出て移動し、また暴風雨になったら近くのお店へ飛び込みという状態。

 

5~10分間隔で暴風雨の合間に雨風が少しおだやかになる(それでもかなり強いですが)ので、そこを狙って移動です。

 

冬物のロングコートを着ていたのですが、それでちょうどいいくらい。

 

気温は14度くらいのはずですが、冷たい雨が風で吹き付けられ、体感温度はずっと低かったのです。

 

軽装の方々は、手に熱々のペットボトルの飲み物を持って暖をとっていましたわ。

 

そんなふうにあちこちを見ながら歩いて行くうちに身体が冷えてきまして、「このままでは風邪をひく」と感じ、近くのぜんざい屋さんへ入りました。

 

お腹はいっぱいでしたが、とにかく温かいものを食べて温まろうと。

 

幸いすぐに座れて、雨風の無い室内で出雲ぜんざいの白玉を注文。

 

出雲はぜんざい発祥の地とも言われていて、こちらのぜんざいにはお餅にせよ白玉にせよ、紅白で一対になって入っています。

 

白玉は注文を受けてからゆでるので、10分以上時間がかかるらしいのですが、ええ、もう時間はたっぷりありますからお願いしましたよ。

 

ゆっくり境内を散策したくても、この天候では不可能。

 

すぐお隣に座っていた年輩のご夫婦が出て、若いカップルが座りました。

 

同じく出雲ぜんざいを注文。

 

私の方が早かったので、さっそくいただきました。

 

 

出雲のぜんざいは、とろりとしていなくて、澄んだ汁に柔らかく煮た小豆粒が沈んでいました。

 

こういうぜんざいは初めてだったので、ちょっと戸惑いましたが、木の匙(スプーンという雰囲気じゃないわ)ですくって口に入れると、うっすら甘い汁気と小豆がなじんでおいしかったわ。

 

食べ慣れたとろりとしたぜんざいとは違いますが、このタイプも違う口当たりを楽しめます。

 

チキンカレーだったら、とてもぜんざいの入る余地はありませんでしたから、ここでビーフカレーでよかったわとしみじみ。

 

悪天候でゆっくり回れなかったのがひどくがっかりでしたが、ま、こういうこともあるわと、自分のショックを慰め、少し元気になり始めたとき、隣のカップルにもぜんざいが来て、二人で食べながらおしゃべり。

 

人様の話には全く関心がありませんでしたが、何しろ席が近いので、静かに会話する二人でしたがいやでも耳に入ります。

 

それでもお天気が悪いとか、立派だったとか無難な旅の話でしたから気にもとめなかったのですが、男の子の方が「ウサギがいっぱいいたけど、『因幡の白兎』ってどんな話?」と。

 

すると女の子が「私、知ってるよ」と、『因幡の白兎』の話を彼氏にし始めました。

 

耳にした私は、小豆が喉に詰まりそうになりましたわ。

 

若い女の子が彼氏に話した『因幡の白兎』のストーリーは、あまりにも衝撃的でした(゚Д゚)

 

このお話は次回の記事で……。